介護業界の人手不足について

介護業界の人手不足は大きな課題の一つと言える。業界全体で、人手不足を解消しようという動きがないわけではないが、成果を出すのは中々に至難の技だ。人手不足の原因が単純ではなく、複数の要素が絡みあっているからだ。まず、単純に働き手が不足しているといった点が挙げられる。仕事内容は決して易しいものではないが、その報酬となる給与は多くない。その解決法としては、昇給制度など確実にキャリアアップ出来る仕組みが整っている職場で働くことが必要だ。また雇う側もこれらを考慮することで、人手不足の解消に繋がる。

次に、若い世代の働き手を確保出来ていないといった点が挙げられる。介護業界の離職率は他の業界と比べても高く、現場で働いている人たちの多くは中高年である。つまり、業界の今後を担う世代である若手が育っていないということだ。これでは、人手を確保しても一過性のものに過ぎず、恒久的な人手不足の解消にはならない。業界自体に体力がないため、色々と手を打つ余裕がないといったところも弱みの一つと言える。さらに、大きな問題と言えば、介護が必要となる世代の人口が増加傾向にあることだ。これは、業界でコントロール出来る部分ではない。しかし、人手不足だろうが資金不足だろうが、介護職の需要は増え続ける傾向にある。現状維持も危ういところに、増える需要への対応を求められても、難しいのは容易に読みとれるものだ。とはいえ現在、国や地方でもこの問題の解決に向けて大きく動き出している。今後良い方向に進み、これらの問題が解決していくことを願うばかりだ。